アメリカでエンジニアになるということ – #3 アメリカ入国
入国審査
なんだかんだで時は過ぎ、7/16 に渡米を迎えました。ケチって大韓航空のインチョン国際空港経由です。機内食でビビンバが出たこと以外は、特別なこともない快適な空の旅でした。キムチは出てこなかった。そう言えば日本海は East Sea になっていた。
ビビンバと East Sea。
アメリカへの入国は 3 回目で、これまでの 2 回は前述の通り 2 週間と 1 週間なので、ビザなしの ESTA だけで入国していました。ESTA とは、ビザが免除される代わりに、お金を払って事前にオンラインで必要事項を登録しておく仕組みです。
ビザサービス | 米国大使館 東京・日本
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html
そもそもビザというものを取得して入国することが人生初なので、入国審査がどうなるのかすらよく分からない状態でした。ビザそのものに、承認済みの I-797 またはI-129S を提示しなさい、と書かれているので、それを求められるんだろうなと予想してはいましたが。それと、ビザ取得をサポートしてくれた弁護士から、入国したら I-94 とスタンプ入りのビザのコピーを送ってくださいねー、とか言われていて、調べると、どうやら I-94 という紙切れが飛行機で配られるらしいところまでは把握していました。が、大韓航空の CA は税関の申告書しかくれない。I-94 ってのが欲しいんだけど、というと、いや、あなたは必要ないはず、とか言われる。いやいや、それおかしいから。まあ入国審査のところにあるでしょう、ということで空港に降り立ちました。ところが空港にも置いてない。おいおい、もう知らんぞ、ということで入国審査へ。パスポートを見せると、「お、アメリカで何やるんだ?エンジニアか?」とフレンドリーに聞かれて、yes とか言うと、指紋とって終わり。ん、簡単すぎるだろ。ESTA のときより簡単だ。それに、I-797 とか見たくないんですか。ねえ。
入国審査官に I-94 ってのが欲しいんだけど、と聞いてみると、ああ、あれはオンラインになったから、俺たちは管理しなくてよくなったんだ、とか言われる。ん、もうさっぱり分からない。後になって調べたところ、到着するちょっと前の 2013 年 5 月に紙の I-94 が廃止され、オンラインに移行していたことが判明。
CBP to Rollout New Arrival/Departure-Record Process for Foreign Visitors - CBP.gov
http://www.cbp.gov/xp/cgov/travel/id_visa/i-94_instructions/i94_rollout.xml
I-94 という書類がなくなったわけではなく、ウェブ上でパスポート番号などの情報を入れると、滞在期限や I-94 の番号が表示されます。I-94 を常時持ち歩く必要はなくなったわけですが、念のため、I-94 は印刷しておいたほうがいいと思います。確か SSC の申請で必要になりました。あと、入社手続きでも必要になります。
I-94 Admission Number Retrieval
https://i94.cbp.dhs.gov/I94/request.html
ビザと I-94 にはそれぞれ有効期間があり、私の L1-B ビザは 5 年、I-94 は 3 年の有効期間となっています。この違いがけっこう重要なようです。以下の解説が丁寧で分かりやすかった。
ビザに示されている期限と合法的にアメリカに滞在できる期限の違いについて
http://www.jinken.com/visainfo/guide30.asp
I-94 が紙だったころは、I-94 を持ったままアメリカから出国してしまって不法滞在と見なされるケースが少なくなかったようです。オンラインになったということは、パスポート番号に紐づいて出国情報が管理されるのだろうか。それなら合理的だ。
レンタカーとフリーウェイ
無事入国審査を終え、東京の暑さもどこへやら、快適なシアトルに降り立ちました。前日友人と 1AM 頃まで酒を飲み、そのあとも頑張って夜更かしをしていた (ホテルまでの道順を頭に叩き込むなど) 成果が表れ、韓国からシアトルまでの便では睡眠をとれたので、ジェット ラグはほとんどありませんでした。
そしてアメリカでの最初の関門。レンタカー。もちろん外国で運転したことなどありません。面白いことに、空港のビルにレンタカー会社のカウンターがあるのではなく、まずは空港からシャトルバスに乗り、レンタカー会社が寄せ集められている独立したビルに向かいます。そこで予約していたレンタカー会社のカウンターに並んで契約する流れです。
適当な英語が通じたのか、なんだかよく分からないまま車が借りられました。必要な書類は、パスポートと国際免許、あと日本の運転免許証も必要でした。支払は日本のクレジット カードです。なお、国際免許は 1 年間有効ですが、ワシントン州では 30 日以内に免許を取得しないといけないことになっています。州によって異なるので、予め調べておきましょう。
車自体は借りられましたが、困ったことに予約していた GPS (ナビ) が用意できなかったとか言われる始末。困ったらグーグルの地図使え、とか。いや携帯持ってないから。まあ、道順は覚えてきたし、自分で書いた地図もあるから行くしかねーなー、ということで車に向かうことにしました。赤のトヨタカムリ。下から二番目のクラスなのに大きくないか。
シアトル ダウンタウンにて。いい車だった。
車の置いてある場所ですが、カウンターが入っているビルが巨大な立体駐車場と一緒になっていて、カウンターで階と番号を渡されるので、車が駐車されているところに行って、あとは勝手に出て行く、という感じです。駐車場は 5 階建てぐらいあってかなりでかい。鍵はカウンターで渡されるのではなく、車の鍵が開いていて、車内に置いてあるという仕組み。車体のチェックとかそういうのは一切ありません。なお、返却時にもそういうチェックはありませんでした。大雑把な国アメリカ。
当たり前ですが左ハンドル。でもアクセルは右、ブレーキは左でいんだよね、とか、本当にウィンカーとワイパーが逆なんだなーとかいろいろその場で遊ぶ。さあ行けそうだ。
空港を出るといきなりフリーウェイ走行。高速道路で練習しておいてよかったー、と思いながら、奇跡的にホテルまで一度も道を間違えずに着きました。後日何度もフリーウェイの出口を降り損なったり、交差点で曲がり損なったりしたことを考慮すると、この日ミスなくホテルまで行けたのは、神の啓示としか思えない。持ってるわ、自分。
後々覚えていくことですが、アメリカのフリーウェイと日本の高速道路は似ているようで、違いも多いです。
- フリーウェイは基本無料 (一部有料)。出口で降り損なっても安心です。
- サービスエリアなどは基本的にありません。そもそも無料なので、トイレや食事は適当な出口で降りて済ませれば OK。出口が近づくと、ホテルやファスト フードなど、近くにある施設のロゴが書かれた看板が立っていることもあります。
- 速度制限はありますが、場所によって異なり、標識が出ています。基本は 60 マイル、見通しがよいところだと 70 マイルもありました。
- 出口は番号で覚えましょう。日本の高速道路では地名ですが、こちらは出口に番号がついているので、予め降りる番号を覚えておくと、間違えなくてすみます。ただし、この番号は連番ではなく起点からのマイル数になっているため、欠番があることに注意。
- 道路工事などで、終日閉鎖されることがあるので注意。一般道に Detour と書かれた看板が出ているので、それで迂回します。当然ものすごい渋滞になります。フリーウェイが閉鎖されている日は、家でゆっくりしましょう。
フリーウェイに関しては、いろいろな情報があり、例えばこれ↓
海外レンタカーマニュアル - 世界のバケーションレンタル
http://jpn.vacationhomedirect.com/rentacar_1.html
そんなこんなでホテルにチェックインできたので、7/22 に業務を開始できることはほぼ確定。日本でいい加減に線引きしてきた予定がちゃんと機能していることに驚き。しかし、手続きはここからが長かった。