日本で各手続きを済ませていましたが、いちいちお金がかかります。後で 150 万円もらえるとは言え、一時的に立て替えないといけません。それまでアメリカに行った後のことはほとんど何も考えていなかったのですが、現金はどのぐらい持っていけばいいのか、銀行口座はどうするんだ、と不安は絶えません。

出費の概算は以下の通り。頑張れば 150 万円以内にはできそうですね。特に、アパートを決めるのが遅く、さらに即入居可能な物件ではなかったのでCorporate Housing 代が膨れ上がっています。物をさっぱり捨てられる人は、引越し代も 30 万程度には抑えられると思います。レンタカーは、とりあえず入れる保険には全部入っておいたので高いです。これは、レンタカー屋の保険ではなく、自分で加入した保険で賄う、という方法でコストを抑えられるようです。

  • ビザ申請の代金・・・2-3 万?
  • 引越し・・・50 万円
  • 航空券・・・10 万円
  • ホテル・・・15 万円
  • Corporate Housing・・・40 万円
  • レンタカー・・・40万円

貯金もあるし、多少赤字になるのはいいのですが、これらの支払いは全て日本のクレジット カードを使って支払うことになります。普段そんなにお金を使わないので、カードの限度額の合計は 150 万円もない・・・。会社から支給されている Amex Corporate Card がありましたが、これは日本の会社を退職した時点で無効になってしまうので、アメリカでは使えません。というわけで、まずはクレジットカードの限度額を一時的に引き上げることで 2 ヶ月分だけ 160 万円分の枠をゲットするところからお金の準備が始まります。カード会社にもよると思いますが、私の場合は 2 枚のカードの限度額を増枠を電話でお願いして、翌営業日には対応してくれました。

次にアメリカに行ってからの生活費の問題。アメリカに行ってすぐに銀行口座を開けるとは思っていなかったので、10 万円ぐらいは現金で持っていくとして、それが尽きたときの心配がありました。これについては、シティバンクの米ドル普通預金を開設しておくことでとりあえず回避。ここでシティバンクについて説明しておきます。

日本のシティバンクでは、以下の口座を開設できます。それぞれ異なるもので、口座番号も別です。

  • 円普通預金
  • マルチマネー普通預金
  • 米ドル普通預金

Citibank | 国内・海外で使う | シティバンク銀行で口座開設
http://www.citibank.co.jp/banking/bankingcard/

ここで特徴的なのは米ドル普通預金と、その口座からお金を引き出せる外貨キャッシュ カードの存在です。外貨キャッシュ カードは日本国内では使えませんが、アメリカの大抵の ATM でお金を引き出せます。ただし引き落とし時に手数料が $2 かかります。米ドル普通預金へは、円普通預金から、マルチマネー普通預金経由でお金を振り替えることができます。私の場合は会社の得点で手数料が無料になるという恩恵があり、助かりました。

ただし、シティバンクの米ドル普通預金といえど、あくまでも日本のシティバンクの口座に過ぎず、アメリカのシティバンクの口座ではないことに注意が必要です。米ドル普通預金には、マルチマネー普通預金経由でのみお金を預け入れることができ、キャッシュカードは引き出し専用です。

一日の引き出し限度額は最大 $3,000 です。が、大抵の ATM は $600 が限度額になっています。これは、ATM がお札を 30 枚以上を扱えないからです。仮に $100 札が流通していれば $3,000 引き出せる気はずですが、今のところ $20 より額面の大きい紙幣を見たことがありません。シティバンクの口座は後で車を買うときに役に立ったのですが、この制限のせいで不便なことになりました。

シティバンク以外の選択肢として、MUFG のカリフォルニア アカウントがあります。私はメインバンクがみずほなのと、シティバンクの手数料無料が魅力だったのでこちらは選びませんでしたが、このサービスだとアメリカの口座を持てます。

海外口座ご紹介サービス《カリフォルニアアカウント》 | 三菱東京UFJ銀行
http://www.bk.mufg.jp/tsukau/kaigai/kouza/cali/index.html

日本の銀行が提供している海外送金の仕組みを使うこともできそうですが、手数料が 5,000 円ぐらいかかるのと、手続きがかなり面倒そうなのでパスです。よっぽど高額が必要にならない限りは、海外送金は不要かと思います。

実際は、到着してすぐに銀行口座を開くことができました。事前に調べた情報によると、ソーシャル セキュリティー ナンバーがないと駄目な場合と、なくても OK な場合があり、銀行や受付の人によって異なるようです。ただ、留学ではなく就労ビザで行く場合は、当然給与口座が必要になるわけで、もし銀行の窓口で断られた場合は会社に聞いてみるのが一番かと思います。

多くのブログに書かれていますが、アメリカで銀行口座には Check Account と Saving Account というのがあります。それぞれ日本の当座預金と普通預金に相当するものです。日本で個人が当座預金を持つことは少ないと思いますが、アメリカでは 2 つとも作ることが多いようです。どちらの口座も同じように使えますが、Check Account ではデビット カードを作ってもらえます。Saving Account のデビットカードがあるかどうかは不明です。日本のデビット カードとは異なり、VISA 対応なので、VISA が使えるところであれば世界中でデビット カードが使えるはずです。これは日本にはない便利さです。VISA マークがついているからと言って、クレジット カードではありません。日本では、VISA = クレジット カードのような図式になっていますが、VISA というのはあくまでも決済手段であって、種別で言うと Paypal と同列です。

クレジット カードの申請には、必ず SSN が必要になります。デビット カードがあれば、スーパーやガソリンスタンド、インターネット ショッピングなど全ての支払いは可能なので、基本的にはクレジット カードは不要です。よく言われるように、現金を使う場面もほとんどありません。ただし、多くの人が財布を持たないとか、みんなマネークリップを使っているということはありません。胸ポケットのある服を着ないので、長財布は全然見かけませんが財布は使います。クレジット カードは、クレジット ヒストリーを作る用途と割り切って持っておいたほうがいいと思います。家の購入や、車のローンを組む予定がなければ、それほど必要ないのかもしれませんが。

また、Check Account を作ると小切手帳をもらえます。映画でしか見たことがありませんでしたが、アメリカでは保険や家賃の支払いなど、小切手を使う場面が多々あります。遅れているとしか思えない・・・。最近はオンライン決済ができるところが増えてきたようです。アパートでも、オンラインで家賃が支払えます、と謳っている物件が幾つかありました。アメリカ人も小切手は不便だと思っていたということでしょうかね。

最後に ATM の話をもう少し。アメリカの ATM でも、もちろん現金の引き出しや預け入れが可能です。引き出しが withdraw で、預け入れが deposit です。いくつかのブログで、アメリカの ATM は現金を預け入れるときに紙幣を数える機能がなく、封筒に入れて後日人間が回収する、とかいう衝撃の情報を目にしましたが、少なくとも私が使う ATM は現金をちゃんと数えてくれます。ただし $20 札までしか使ったことがなく、$100 札を入れられるかどうかは不明です。もちろん、硬貨を取り扱うことはできません。こういうところは日本が最高に進んでいます。さすが自販機の国。

ただしアメリカにも硬貨を取り扱える自動販売機はたくさんあります。ちゃんと動くか不安にはなりますが。とあるコイン ランドリーでは、25 セント硬貨しか使えませんでした。しかし、乾燥機を回すのには $2 かかります。つまり、毎回コインを 8 枚も入れないといけません。当然そんなに持っているわけがないので、別のところで両替してもらうわけですが、効率悪すぎます。額は決まっているのだから、初めから 1 ドル紙幣使えるようにしておけよ、と。アメリカはこのような不思議なことが多いです。でも、アメリカ人が日本に来ても、同じようなことを我々日本人が思いもよらないところで感じているのでしょう。例えば、デビットカードが VISA 対応じゃない!とか。