この日も雨である。

松崎駅周辺。当然のように人がいない。休日だというのに。

そんな人気のない東郷温泉を後にして鳥取駅へ向かう。鳥取駅周辺は予想外に栄えていた。出雲市より賑やかなのは言うまでもないことだが、松江よりも全然都会な気がする。休日で人が多いからだろうか。砂丘へは鳥取駅からバスで20分。立久恵峡のように誰もいなかったらさすがに寂しいなと思っていたが、それは杞憂に終わる。バスには10人ぐらい観光客が安心した。さすが定番の観光地。

終点の「砂丘会館」というバス停で降りる。本当は手前で降りる予定だったが、「砂丘観光の方は砂丘会館で~」というアナウンスがあったので、素直に従う。親切でよい、鳥取。バス停を降りると、もうすぐそこに砂丘が広がっていました。まばらですが人もけっこう来ています。この眺めはなかなか圧巻。印象的な所でした。ただし天気は雨なので、風紋なんてできるはずもなく、むしろ広大な砂浜のような気もしないでもない。でも一面に砂が広がっているというのは非日常的な感じです。晴れた日にまた来たいものですね。

白波立ちすぎ。

雨も風もけっこう強いので、砂丘を登るのも一苦労。

傾斜がきついところを選ぶ登山家志向の人たち

朝食ということで、砂丘会館で「あご(飛び魚)カツ」なるものを食べたけど美味しかった。そんなこんなで感動的な砂丘を後にして、再び鳥取駅までバスで戻ります。これでバスを使うのは最後。あとはJRを使うのみ。旅も佳境となり、次は餘部鉄橋です。が、鳥取駅周辺を1時間ほど放浪する。

本当はここで寿司などの鳥取名物を食べるつもりだったが、行こうと思っていた店がランチ営業をしていないことが判明し、早くも諦めることに。ランチは結局駅前のミスドになりました。あと、本日の夕食も駅前のコンビニで買っておく。そうこうしていると、晴れてきました。ようやく!

餘部鉄橋は、2010年8月に架け替えられてしまったとはいえ、やっぱり見ておきたい観光スポットの一つ。鉄橋の鳥取側に餘部駅があって、そこで降りるのが定番らしい。で、もちろん餘部駅には降りるのだが、事前に調べてみると、餘部駅の隣の駅、鎧駅からの眺めがなかなか良いらしい。そこで、鳥取→鎧→餘部→城崎温泉、と一度下り列車で逆戻りすることにする。

鳥取からの普通列車はすべて浜坂止まりなので、浜坂で乗り換えないといけない。せっかくなので浜坂駅周辺も歩いてみる。

40分ほどして電車が来て、移動を再開。餘部駅が近づくにつれて、そわそわしている人が目立つ。椅子にも座らずにカメラを持ったまま前をうろうろしているおじいちゃんとか。で、駅に着く頃の先頭車両はこんな感じ。
大混雑

なんだかんだいって橋は新しくなってしまったし、餘部鉄橋なんて鉄道マニアが1, 2人いるぐらいかと思っていたが、けっこう人が多い。休日でよかった。前述のルートの通り、まずは鎧駅まで行くのでここでは降りない。そして鎧駅へ到着。

すぐ隣に鎧港という小さな湾があって、駅から最高の位置で見下ろすことができます。本当に眺めが良い。晴れて実によかった。
駅にある木のベンチ。映画「パピヨン」に出てくる、悪魔島にあるドレフュス大尉のベンチを思い浮かべてしまった。

駅舎。どう見てもトイレ。

「ふたりっ子」のロケ地だそうです。

思い出帳。

どこを撮っても絵になる駅でした。

さて、下り列車で餘部駅に戻ります。駅ではカメラを構えた人々が、列車が鉄橋を通るのを待ちわびていたようです。鉄道マニアっぽい人だけではなく、老夫婦や家族連れもけっこういます。世は鉄道ブームなんでしょうね、やっぱり。

新しい橋はもはや鉄橋ではなく、コンクリートに覆われていて高速道路のようです。赤いのがかつての鉄橋。全景を見てみたかった。

カフェレストAMARUBE。以前テレビで紹介されていました。

橋の下の日常風景。

鉄道ファンの子供たち。

餘部駅のベンチは旧鉄橋の鉄骨でした。

ホームで電車を待っているとき、おばあちゃん2人に話しかけれられました。近畿周辺を鉄道旅行で巡っているらしい。行程表をエクセルで作ったらしく、見せてもらうと、降りる駅との電車の時刻などが綺麗に表になっていて驚き。エクセルが使えるだけじゃなく恵t、家にプリンタがあって印刷までやってしまうとは、。パソコン使いこなすスーパーおばあちゃんたちは、今晩城崎温泉に泊まった後、天橋立を見てから小浜に行くの!と嬉しそうに言ってました。そういえば米大統領選のときに有名になっていたような・・・

そして城崎温泉に着きました。今宵の宿は「大西屋 水翔苑」です。温泉街からちょっと外れたところにあるせいもあってか、けっこう安いのです。玉造温泉と同様、洋室のプランにしました。
http://www.suisyou.com/

城崎温泉といえば「外湯めぐり」です。城崎温泉の大抵の宿では、外湯の入浴券を好きなだけくれるので、無料で楽しむことができます。宿で浴衣と下駄を貸してくれて、それで町をぶらぶらと散歩するのが城崎温泉流。自然と温泉街にも活気が出てくるし、よいPR戦略に思えます。外国人観光客を全然見かけなかったのが不思議なくらい。宿泊していない人は外湯一箇所につき600~800円かかるので、複数個所巡るのはきついですが。

外湯は全部で7つあって、そのうちの6つは23時まで営業しています。駅前の「さとの湯」だけは21時までです。多くの人が暗くなる前の時間帯に外湯巡りを楽しむので、17~18時ぐらいはけっこう混雑しているようです。そんな人たちが食事を楽しみ始める時間帯、19時以降となると人が減ってくるのでこのへんが狙い目。この日は「駅舎温泉 さとの湯」「一の湯」「地蔵湯」の三箇所の外湯を廻りました。「さとの湯」は多彩な浴槽がある近代的な温泉施設で、そこだけでけっこう楽しめます。サウナが4種類もあるとか。